はたらいて立ち直る

つらくてどうしようもないときこそ、働いて立ち直る

私は現在、ハローワークにて訓練前コンサルタントとして働いています。
求職者の方に仕事を相談するのではなく、職業訓練を受講する前に、必ず受けなければならないキャリアコンサルティングを担当しています。

来談される方は事前に、自身の学習歴や資格、職歴やキャリアシート記入といったジョブ・カードを作成します。

https://www.job-card.mhlw.go.jp/

その内容を元に60分程度のキャリアコンサルティングを行ないます。

 

過去の経歴を財産にする

学習歴は高校時代から記入するため、私は高校時代の思い出や感想から尋ねるようにしています。

もしかしたら、皆さんにとっては、高校を卒業して大学か専門大学に行くのたは当たり前、ぐらいに思うかもしれませんが、決してそうではありません。人によっては、経済的な事情で大学を中退せざるを得ない人もいれば、高校中退なんていう人もいます。

ハローワークに相談に来ざるを得ない人は何かしらの問題を抱えているともいえなくもないですが、みな一生懸命に生きてきたことは間違いありません。

本当に色々な境遇を抱えた方がいらっしゃいます。

・転職を繰り返す中で必ずメンタル不調になってしまう方
・ご主人を病気で亡くした翌日に交通事故で大怪我をされた方
・受験勉強をして入った高校を暴力で退学することになった方
・母親が重度の障害にかかり、また子どもも障害をもち、お嫁さんは急逝した方
・大学卒業後は海外留学を予定していたがコロナで断念。そこからモチベーションが下がって何もしていない方

などなど。

 

客観的にみると「不幸」としかいえないかもしれませんが、
私がその場で思うことは、

「よくぞここまで無事に過ごしてこられましたね!」

ということ。

 

本人にとっては「無事」と思えないかもしれないですが、命あって、健康あって、外出できて、ハローワークに来られている「今」があるということは、かけがえのないことだと思います。

そしてこれから、一歩踏み出そうという心がある。
人生諦めずに進んでいこうという決意がある。
やりたいことに向き合う意欲がある。

それならば悔いることも、恥じることもないと思うのです。

 

私は、これまでの経歴を過去の汚点として捉えるのではなく、

「過去があるからこそ今があり、これから先がある」

というように経歴を財産とする捉え方をして欲しいと思い、面談をさせてもらっています。

 

はたらいて立ち直る

ハローワークに掲示されているあるポスターに

「はたらいて立ち直る」

というコピーがあります。

働いて立ち直る
働いて立ち直る ポスター

 

私はこのコピーを読んで、まさにその通りだなぁと思うのです。これからの人生を歩もうとするなかで、何があれば幸せに生きていくことができるのか。その中心となるのは「仕事」だと思います。

 

それも単なる給料を稼ぐためだけの仕事ではなく、

自身の価値観に沿った仕事であり、
自身の強みを活かせる仕事であり、
自身のキャリア形成へとつながっていく仕事、

であるのです。

 

また、そこから一歩踏み込んで感じるのは、本当に求めているものは仕事をして働くことではなく、仕事をすることで

成長する喜びが感じられ、さらには人に役にたち、社会に貢献する喜びが感じられる、

そのことを求めているように思います。

 

これは今まで面談してきた多くの方に共通することで、価値観ややりがいを突き詰めていくと、

「誰かの役にたつこと」

に尽きるのです。

(もちろんこれ以外があってはいけないということではありません)

 

そして、仕事の先にあるものを知るということは、
仕事を通して得たいものを知るということは、

生きるうえでのやりがいや生き甲斐を知るということ。

それはつまり、命を授かった理由に気づくということ。

 

それに気がついたとき、見える景色や一変します。感じること、これからすべきことが明確になってきます。自分視点ではなく、大いなる存在から願われる生き方に気づくこと。

それこそが、「神キャリア」

私がこれから人生をかけて伝えていきたいことです。

 

振り返ってまた先に進む

日常生活はやるべきことに流されてなかなか自分の将来について考える時間がないものです。

だからこそジョブ・カードを作成して自身の経歴を振り返り、キャリアコンサルティングを受けることで過去の経歴を財産とする意味付けを共有し、これからの生き方を固めていくことが必要なのです。

これは決して職業訓練を受ける人だけでなく、社会で働くすべての人に通ずることでしょう。日々のハローワークでの業務を通して思うことです。

 

はたらいて立ち直る
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